トルコシンバルファクトリーツアーレポート
3日目:Istanbul Agop
レイジングの妙技
ハンマリングの後はレイジングの工程。
レイジングには、シンバルの形やウエイトを整える他、シンバルの強度を上げる効果もあるそうです。
確かに、クニャクニャしているハンマリングの後のシンバルがレイジングをするとシャキッ!としていました。
レイジングの職人も熟練になるまで7~8年はかかるそうです。
マスタークラスになると、自由自在にどこにでも削り節を飛ばせるようになるんでしょうね。
AGOPの人気シリーズ、TARASHシンバルは、エッジがグニャグニャになっていますが、
あれはこのレイジングの工程でエッジに変則的な圧をかけることで出来るのだそうですよ♪
AGOPの人気シリーズTRADITIONAL TRASH HIT、エッジが独特のグニャグニャで、サスティーンが短くほんのりチャイナのような響き方もする独特のサウンド♪
同じく大人気のCLAP STACKもエッジがグニャ!っとしていますが、こちらはローリングマシンの時にプレスの具合で曲げているそうです。
シンバルの削り節。。。
全ての工程が終わると、シンバルが完成するわけですが、
完成後に1週間ぐらい寝かさないと良い音にならないんだそうです。
寝かすことで分子が定着するんだとか。
キャスティングからプレスに入る前にも寝かすそうで、それも分子を定着させるためだそうです。
我々ドラマーも、新しいシンバルが使い込んでいくうちに段々と音が変化していくのを知っていると思います。
作り手から直接そんな話を聞くと、やはり、シンバルという楽器はただの工業製品ではなく、
1つ1つが芸術作品なんだなぁという思いが強くなりますね。
この後、サウンドチェックの検品を受けて問題がなければ、メーカーロゴやモデル名などのロゴプリントが施されるようです。
サウンドチェックではマスターシンバルっぽいものもあるようでした。それと比べて合否判定でしょうか。