僕自身、この特集の準備を始めるまで、スティックと真剣に向き合った経験も無く、なんとなく誰かに勧められたり、評判の良いスティックを使っているという状態でした。
準備が進むにつれて、それまでの知識の無さや、実感の無い評価に左右されている自分に直面することにもなりましたが、この特集を経て得られたものは非常に大きく、何よりも大きいのは、曖昧だった知識が、実感をもって明確になった事だと感じています。スティックを選ぶ時に、楽器として考えるようになった事も以前との大きな違いです。
又、定番として広く知られているモデルに対しては、それが定番となった理由に共感すると共に、「この形を考えた人はスゴイな!」と、その形状に至った経緯にも興味がわきました。
さて、日本では、どこの楽器店に行っても、スティックを購入する際に1ペアづつチェックしながら購入できますが、海外の場合、大抵の楽器店ではパック売り(1ダースごと)が普通で、日本のような形でスティックを購入できるのは、ドラムショップなどの専門店だけというのが多いんだそうです。
日本のドラマーは、スティック一つ購入するのにもそんな恵まれた環境があるんですね。
この特集が、ドラマーの皆さんのスティックに対する意識を変えると共に、スティックや楽器の特徴を活かすという意味で、ご自身のタッチに対する意識をも変えるキッカケになれば幸いです。
とら植木 |