この音を聴いたことがない人はまずいない!!
ドラムヘッドのパイオニア、REMO。
1957年に、世界で初めてプラスティックヘッド(コーテッドアンバサダ)を発売して以来、世界中に爆発的に広まり、今やドラムの皮と言えば、誰もがこの形をイメージすると思います。たぶん。。
そんな、REMOヘッドの創業者、レモさんは、一体どんな流れで、このヘッド開発に至ったのかというのが、今回のお話。
---
実はもともとドラムショップを経営していたREMOさん。
ある日、お客さんとして来ていた、マックス・ローチとバディ・リッチ(ドラマー界のLEGENDです!知らない人は今すぐチェック!)が偶然お店で一緒になりました。
レモ氏を含め3人で立ち話が始まったそうです。
「ヘッドってすぐ破けちゃうよね。」
「まったくだよ。」
「なんとかならんのかいな。。。」と、本皮ヘッドに対していろいろ話をしたそうです。
---
※この当時は、ドラムの皮と言えば本皮でした。
天候の影響も受けやすく、それほどハードヒットもできません。チューニングについても、繊維の方向に上手く引っ張っていかないと、途中で破けてしまうなど、今では信じられないようなデリケートなヘッドが普通だったんですね。
実際に当時のドラマー達もとても苦労していたようです。
経済性も考慮してか、破けたら自分で皮を買ってきて、木枠にはめて巻きなおして、自分でドラムヘッドに成型していた方も多かったそうですよ。
今では想像もできないですね。
では、話を戻して↓
---
ちょうどその頃、レモさんのお店は壁の修理をしていて、いろいろな工事用品が転がっていたそうです。
その中のひとつに、プラスティックシートがありました。
「あれ?!これってドラムに張ったら意外といい(音がする)んじゃない?」
そんな話が持ちあがり、
「よし!やってみよう!!」と、即席でプラスティックシートからヘッドを作ってみることなったそうです。
スティックで叩いてみると、、、
「ワオッッ!!スゴイ!!いい音♪」
事実、驚きを隠せなかったようです。
予想以上に音が良かった上、プラスティック製なので当初の問題点であった耐久性は抜群です。
本皮ヘッドに代わる、新しいヘッドのアイディアが誕生した瞬間でした。
製品として最初に発売されたのはコーテッドですが、この世で最初のREMOヘッドは『クリアヘッド』だったんだそうです。
これを基にして、その後サスティーン等を調整する為にいろいろ試行錯誤が重ねられ、
プラスティックシートを小さく丸く切ってヘッドに張り付けたものが『CSヘッド』の元になり、シートを二枚重ねにして作ったヘッドが『エンペラーヘッド』の元になったそうです。
なかでもユニークなのは、クリアヘッドの上に接着剤を塗って砂をふりかけたものが『コーテッドヘッド』の元になったのだそうです!
それからというもの、注文が殺到したため急遽ヘッド専門の工場を建て、いよいよヘッドメーカーのREMO社が創業したそうです。
いまや、トップブランドになっているREMOですが、その誕生にはこんな逸話があったそうです。。
このお話は、以前REMOさんが来日した時の講演で語られたそうです。イイ話ですね!!
1957年に最初に発売されたREMOのコーテッドヘッドは、2007年、REMOの創立50周年を記念して、VINTAGE
Aという品名で復活しています。
■REMO / VINTAGE A コーテッドの詳細はコチラ