LUDWIG L203 SPEED KING リマスター版徹底特集 VOL.1

スピードキングは、100年以上のLUDWIGの歴史の中でも、単一商品のラインナップ期間としては最長記録を誇るペダルです。

なんと、1937年には既にSPEED KINGという名前が使われた最初のモデルが発売され、その時には既にツインスプリングなど基本的な構造が出来上がっています。

この見た目になるのはもう少し後の1950年代に入ってからになりますが、そこから数えても既に70年以上!!

年代ごとにマイナーチェンジもされつつ2014年頃に一度廃盤になってしまいますが、今回は1970〜80年代頃のシルバー仕様を忠実に再現して甦りました。

▼ デビュー当時のスピキン(WFL時代) 1937年・1939年・1951年

ここで注意しておきたいのが、
どれぐらい忠実に再現されているのか?という点ですが、これがもうほぼ“まんま”なんです!

普通は昔の機種を再現しました!となると、各部が現代風にアレンジされていそうなもんですが、
見た目だけでなく肝心なアクションもほぼまんま昔のスピキンなんですよね。。
こんなに“まんま”なのは、2015年頃に再発売されたYAMAHAのFP720以来です。

SPEED KING最大の特徴は、左右の支柱内に収められたツインスプリングと、
カムの中心にビーターがホールドされるという他にはない構造です。

この構造をそのままに、ビンテージスピキンあるあるな、
『ココちょっと困るよね。。』という部分はしっかり再調整されています♪

LUDWIGのアナウンスでは、リマスター版SPEED KINGと表現されていますが、まさにその通り!

2020年も過ぎて、市場には昔よりも遥かにライバルが多い中で、
敢えて1970年代の仕様で甦った真意やいかに!?

徹底分析!スピードキングのひ・み・つ

では、早速ですが、ここからは各部の仕組みを細かく見てみましょう!

今回のリマスター版はL203という型番に変更されていますが、2014年までの旧型はL201という品番になります。
分かりやすいので、ここからは201と203という表記にしていきましょう!

ちなみに、202もあったのかな?と思ったアナタは残念ながら・・相当ディープです・・(笑)
正確にはあったようですが、1930年代当時に存在したオプションパーツの有無で201と202に分かれていたようです。
でも、ややこしくなるのでここは割愛!気にしない事にしましょう!

▼ フットボード

↑1ピース

↑2ピース

変わらないデザインのフットボード。 もう昔のスポーツカーみたいでカッコいいですよね♪

猛者クラスになると、このペダルを眺めているだけでゴハン3杯はいけるようになるそうです。

ヒールの部分は伝統のフリップ式になっていて、標準仕様のヒールレスの1ピースボードと、 ヒール有の2ピースボードに可変できます♪
踏み心地が変わるのでお好みで!

奏法にもよってですが、1ピースの方が小さな動きにも反応しやすく少し繊細なプレイがしやすくなって、
ヒールダウン奏法(かかとを付けてつま先で踏む)にも好まれる傾向になります。

ボンゾは2ピース状態で使用していたそうですが、実はネジをなくしちゃっただけなのでは。。。
という説もあります。。2ピース仕様だと床の状況や経年でカチャカチャノイズが出る場合があります。お好みで!

▼ フレーム

スピードキングのキングたる所以と言っても過言ではないフレーム部分。
この左右の支柱の中にスプリングが収められています。

スプリングは、一般的なペダルだと支柱の外にあり、踏み込みの時に伸びる仕組みですが、
スピキンの場合はコンプレッションスプリングと言って、踏み込みの時に縮むバネが使われています。 スプリングの調整は、フレーム裏側のマイナスネジを回して行います。
2本のスプリングなので、ネジ山1山ずつでも結構印象が変わります。
左右均等にバランスを取りながら調整してみてください。

マイナスネジを抜くと、スプリングと鉄の棒が出てきますが、フレーム内はグリスで満たされた状態なので、手がネッッチョネチョになります。ご注意ください。

スピキンはフットボードが足に吸い付くような一体感が特徴ですが、このバネの仕組みが大きく作用しています。
余談ですが、ハイハットスタンドに使われるバネもこのコンプレッション型が多いんですよ。

▼ カム&ビーターホルダー

カムは元祖とも言えるダイレクトドライブ型で、数あるペダルの中でもかなり偏心型になります。
カムが偏心タイプだと、踏みしろが深くなりますが、スピキンは超偏心なのですごく深めです。
このカムやベルトの構造もスピードにかなり影響していて、鉄板で引っ張るだけなんですが、
チェーンやベルトのような“たわみ”が起こらないので、まさにダイレクトなアクションが得られます。

そして、もう一つ大事なポイントがビーターの差し込み位置。
カムの真上、フレームの中心にあって、カムの上下運動とビーターの動きがシンクロ率100%!バスドラムのど真ん中を捉えます♪
普通のペダルはここがオフセットになっているので、カムの動きに対してどうしても誤差を感じますが、ここもミソです♪

▼ フープクランプ

フープクランプ部も201時代よりも噛みつきが良くなってかなり使いやすくなっています♪

でも、スピキン特有の個性もあるので、そこはプレイヤーとしてしっかり把握しておきましょう!

★アナログ万歳!!セッティングにはコツがいるよ!

↑バスドラフープが浅く、
ヘッドにカムが当たってしまっています

↑セッティングOK例
赤い割り箸を挟んでいます

SPEED KINGは、カムが普通のペダルよりも出っ張っている割に、クランプの噛みつきがかなり奥まで行くので、
ドラムの機種やBDフープの深さによっては、カムがヘッドに当たってしまうことがあります。 でも、これはスピキンあるあるなので、決して不良などではありません!

BDフープも実はメーカーによって深さに違いがあるんですね。 SPEED KINGはLUDWIGの製品なので、LUDWIGのフープの深さに合わせて作られています。

なので、GRETSCHなどフープが浅いドラムには、そもそも浅めに噛ませたり割り箸などをスペーサー代わりにして噛ませる方法がオススメです。

一応、オマケでフープの噛みすぎ防止用のスペーサーが付いていますが、それでも当たるものは当たるので、ここは注意しなければいけない部分です。 カムがヘッドに当たっていると、アクションが悪くなるだけでなく、ヘッドが破れる事もあるので要注意!

でも、できるだけカムの先端が打面に近い方がスピードを感じやすいので、 お好みで良いポジションを探してみてくださいね♪

▼ ヒンジ

↑L201ヒンジ穴が拡がってしまっている

ヒンジ部分は、21世紀らしくベアリング内蔵になっています(笑)
ビンテージや旧型のものだとここは芯棒が入っているだけでした。
経年でその棒が周りの金属を削ってしまい、ガタつきやノイズの原因になっていましたが、
ここがベアリング式になった事であそびがなくなり、とても安定したストロークが得やすくなりました♪

▼ ビーター留めネジ

↑L203

↑L201

ビーターの留めネジは、位置は昔と変わりませんが、チューニングキーで締められるように角頭ボルト仕様になっています。

スピードキングは、フレームとフットボードと、ビーターと、すぐに3分割してコンパクトに持ち運べるのが利点ではありますが、
このビーターのネジはしょっちゅう付けたり外したりしていると、ネジの先端の変形が起こり、ビーターの固定力低下の原因にもなります。

もちろん、ビーターの交換などで音色も変わるので、そういう時は別にしてですが、できればビーターはあまり抜き差しせずに使う事をお奨めします。

※もしも、この部分のネジがダメになってしまったりビーターがすっぽ抜けてしまうような場合は、
当店でネジのサイズを変えずに修理できる場合がありますので、
ダメになったところはあまりグリグリせずに、早めにご相談ください。

▼ その他

フロアプレートにチューニングキーが添えられていたり、裏面に滑り止めマジックテープが付いていたりと、
ちょっと現代のペダルっぽい気遣いも嬉しい追加点♪
カーペットの上だと、かなり強力にマジックテープがくっつくので、ご不要な場合は外したり、ガムテープなどで塞いでもいいと思います。

グリスアップの5大ポイント

MYスピキンをゲットしたら、使用前にぜひグリスアップをお奨めします!
コレをやっとかないと本気が出ないので!

◆グリスを塗る箇所
1. フープクランプネジ
2. フットボードつま先のフックの部分
3. フットボード下のフレームとの連結部分

その他、スプレータイプのグリスがあれば、
4. カムの先端のベルトの折り返し内部
5. フリップヒールとフットボードの隙間
  (ここはベアリングも入っているので、気持ち程度でOK!)

※使ってはいけないモノ
5-56などの防錆スプレー、ブレーキ&パーツクリーナー系、シンナー等
これらを使うと、グリスが溶け出して逆効果になりますので注意!!

まとめ〜スピキンとの相性占い〜

2014年に惜しくも廃番となりその長い歴史に幕を閉じたかと思われたスピードキング。
6年の時を経てリマスターされた姿は、やっぱりカッコイイ!
そして、誰がなんと言おうと唯一無二なアクションは、ぜひぜひたくさんのドラマーに体感して頂きたいと思います。
リマスターという表現にも、スピードキングが現代でも十分通用するというLUDWIGの自信を感じますね♪

さて、ここまでで、もうすでに皆さんの指が購入ボタンを押そうとしているところだと思いますが^^;!?、、、
スピキンとは相性もあると言われています。
まぁ、世の中いろいろな奏法があるし、どんなペダルとも相性はありますが、スピキンの場合はシンプルな作りのわりには特殊な組み上げだったりするので、
正直、スプリングテンション以外はビーターの角度なども調整できないし、ビーターを変えたりする以外はカスタムパーツなども存在しません。 アッチもコッチも調整できるペダルとは違いますが、それは何故かというと、
ズバリ「そんな必要がないから!」という事につきます。
それほど完成されたアクションなんですね♪

という事で、あまり先入観を持たずに、最後に皆さんとスピキンがどれぐらい相性がいいのかを占ってみましょう!

Q1 : スピードキングにあこがれはありますか?
・YES → 2pt
・NO → 0pt

Q2 : 【奏法について1】 音量にもよると思いますが、
かかとの上下は≪最大で≫ペダルからどれぐらい離れますか?

・15cm前後 → 3pt
・20cm以上 → 1pt
・ヒールダウン → 5pt

Q3 : 【奏法について2】ペダルに対して斜め方向に力が掛かるような踏み方をしますか?
・YES → 0pt
・NO → 5pt

Q4 : バスドラムの打面ヘッドのテンションはどれぐらいですか?
・ダルダル→0pt
・ビーターが潜らない程度に少し張る→2pt
・まぁまぁ張る → 5pt
・かなり張る → 5pt

Q5 : バスドラムの連打の時、音量差は気になりますか?
・気になる → 5pt
・気にならない → 2pt

Q6 : 楽器は相棒として愛着をもつ方ですか?
・YES → 20pt
・NO → -100pt

という事で、10pt以上獲得の方は、ポチっ!といっちゃいましょう!
当店でご購入の場合は、グリスアップをした状態でお届けさせて頂きます♪

商品ページ

【GATEWAY特選品】LUDWIG / L203 SPEED KING スピードキング
¥40,480 (税込)

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