BOOK / BRAZILIAN RHYTHMS FOR DRUM SET & PERCUSSION


■ALBERT NETTO著
(Native Brazilian)
■日本語版
131ページ/CD付

サンバやボサノヴァと言えば、ブラジル音楽を代表する日本でも比較的馴染みのあるリズムスタイルだと思います。近年は、ブラジル音楽に対する注目度もさらに増してきているので、現地のたくさんのミュージシャンが来日していますね。

そこで、今回はブラジリアンリズムを深く学ぶのに最適な逸品教則本、BRAZILIAN RHYTHMS FOR DRUM SET & PERCUSSIONをご紹介いたします。

全てのブラジル音楽に通じるサンバのフィーリングはもちろん、そのサンバのルーツや、広大なブラジルの様々な文化と交じり合って派生した地域ごとのサンバの形態など、その背景にある歴史や文化にまで言及しているので、単にテクニックの面だけでなく、私達に親しみのあるボサノヴァのリズムにしても、サンバから派生したひとつのスタイルなんだというような実感も同時に得られる説得力のある逸品です。

それぞれのスタイルがかなり細かく解説されているので、詳しい知識がなくてもこの1冊からブラジル音楽への冒険の扉がきっと開けます。

日本の真裏から直送されてきたような、思わず踊りだしたくなる楽しい内容です!!!


SECTION1

■ ハンドパーカッションとリズム、楽器、テクニック

 

この本は、ドラマーにとっては色々なパーカッションに出会うキッカケにもなり、パーカッショニストにとってもドラマーならではの視点を取り入れるいいキッカケになるものではないかと思います。

序盤は、ブラジル音楽には欠かせないブラジリアンパーカッションを使って、カーニヴァルで活躍するサンバチームの打楽器隊(バテリア)の大アンサンブル“BATUCADA(バトゥカーダ)”のリズムスタイルを解説していきます。一つ一つの楽器の説明と役割、パートごとの演奏方法と決まり文句などを詳しく学習できるのと、アンサンブルの中での各楽器のシンコペーションの関係性や、どのようにリズムが成り立っているのかという事がしっかり身につきます。

SECTION2

 ブラジル音楽全てのルーツ!!サンバ!

 

中盤以降は、サンバについてそのルーツやリズムタイプ別の解説など、より深く理解を進めながら実際にドラムセットへの応用のサンプルパターンなどが紹介されています。
エスコーラ・ヂ・サンバ、サンバ・カンサォン、ボサノヴァ、サンバのスネアパターン&ライドパターン、パルチード・アルト、サンバ・クルサード、アフロ・サンバ、サンバ・ファンク、変拍子のサンバ等、全てのブラジル音楽に通じるサンバのフィーリングが“グッ”と身近になります。

SECTION3

 フォホー

 

ブラジル北東部で発展してきた音楽スタイル。バイアォン、コーコなどのリズムを、パーカッションアンサンブルとドラムセットへの応用パターンで解説しています。

SECTION4

 カーニヴァルリズム

 

パレード、クラブ、ストリートダンスなどで演奏されるマルシャやフレーヴォなど、早いテンポでのパーカッションアンサンブルと、ドラムセットへの応用パターンを解説しています。

SECTION5

 アフロ・ブラジリアンリズム

 

アフリカから奴隷として連れて来られた黒人達が持ち込んだ文化や、カンドンブレ、マクンバなどの宗教・儀式と深い結びつきを持つ、アフォシェとマラカトゥのリズムスタイルの解説。ブラジル北東部のバイーア州で発展してきたより深遠なブラジリアンリズムを紹介しています。

SECTION6

 キリスト教の音楽

 

クリスマスから年明けの期間に催されるカトリックの伝統的な行事、フォリア・ヂ・ヘイスのリズムスタイルの解説。

ヴォリューム満点!!

 おまけも充実してます!!

 

この本には、各セクションで紹介されたリズムスタイルごとの代表的な音源の紹介や、ブラジルの歴史とリズムと音楽の発展に関する興味深い資料、著者からこの本の使い方や練習の仕方に関するアドバイス、注意するべきポイントなども掲載されていて、とても豊富な情報が得られます。

ブラジル音楽独特のあのうねりのあるグルーヴには、一体どんなルーツがあるのか??

この本がその答えを見つけるキッカケになるかもしれませんね。