80年代中頃にパールとしては初めてのチェーンペダルを発売し、当時は国産唯一のチェーンペダルとして圧倒的な人気を誇っていたタマのカムコモデルを凌駕するほどの爆発的な売れ行きになりました。それまでのパールのフットペダルといえば、残念ながら本格的な使用に耐えうるモデルが見当たらず、ドラムセットやその他のハードウェアは全てパール製なのにフットペダルだけはヤマハやタマまたは輸入品を使うという人がほとんどの状態だったのです。「フットペダルだけはパールはNG」という定説の中で、汚名挽回起死回生を狙って、それこそ満を持しての登場となったモデルP-850は、シングルチェーン・真円カム・アンダープレート無しと、今にしてみれば非常にシンプルながら、本当にあっという間に爆発的なベストセラーになりました。これで名実ともに世界に誇るNO.1ドラムメーカーになった訳です。
このP-850モデルをきっかけにして、その後の改良モデルを含めてパールのチェーンペダルは文字通りの「定番」として「ペダルはチェーン式が主流」になっていったのです。

ここ数年は、TAMAのIRON COBRAをはじめとして各メーカーから多機能性を追求したモデルが競って発売され、やや定番としての人気の衰えがみられた時期もありましたが、今回紹介の PowerShifter や画期的なシステムを持つ最高機種 Eliminator の登場により、また人気は急復活!急上昇!「ペダルはやっぱりパール!」という評価とNO.1ブランドとしての人気を不動のものにしていると言えるでしょう。
もっとも幅広く実用的なアクション設定が可能な超多機能のペダルとして、当店でも断然お奨めの1台となっております!

P-2000C

メーカー・・・・PEARL
商品名・・・・POWER SHIFTER Eliminator P-2000C
定価・・・・¥22000
販売価格・・・・¥16500
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アクションカムの形状はペダルの基本モーションを決定する大切なパーツの為、選択時には必ず考慮すべき大きなポイントの一つです。形状は真円やオーバルとさまざまでいったい自分にはどんなタイプが合うのかを決めるだけでも一苦労でしょう。
しかし、この Eliminator はそんな悩みは一切いりません!PEARL独自のアイディアにより、もっとも代表的な4種類のカムが瞬時に交換が可能!これ1台であらゆるキャラクターが再現出来る大変魅力的かつ画期的なアイデアというべきでしょう。
好みに合ったペダルモデルを捜すのでは無く、ペダル自体の持つ機能で限りなく好みのアクション設定を追及できるという、この新しい発想の面でも注目すべきモデルです。
ベルト仕様 P-2000B も発売されており、チェーンよりもさらに軽いアクションが好みの方にはおすすめ。またベルトパーツ(販売価格¥3000)のみを購入すれば1台でどちらも使用可能です。

P-2000C

テスト平均値

踏み心地 6.4
★★★★★★
反応 6.8
★★★★★★
安定感 7.6
★★★★★★★
スプリング 5
★★★★★
サウンド 6.5
★★★★★
機能性 7.1
★★★★★★★




P-2000C

ユニロック・ビーターアングル・・・
ビーターアングルが無段階で調整可能なシステム。スプリングを引っ掛ける部分はベアリングを採用して、安定した素早い動きを狙っていますが、スプリングの微妙なテンションはやや伝わりにくい印象があります。また、この形状ではスプリングの交換はかなり大変な作業となります。国産では固定用の角頭ボルトがドラマー側に向いているのはPEARLだけで、バスドラムに固定した状態の作業では大変便利です。
フットボードアングル・アジャストメント・・・
カム側のチェーンの取り付け部分は3段階に移動する事でビーターの角度を変えずにフットボードの角度のみ変更ができます。

P-2000C

インターチェンジャブル・カム・システム・・・
Eliminator の最大の特徴がこのカムが交換可能なシステム。形状は真円タイプ2種類、オーバルタイプ2種類の計4種類からお好みに合ったアクションが選択できます。プラスティック製のカムはそれぞれの形状をカラーで区別してあります。
交換作業には、六角レンチまたはチューニングキーを使う必要がないので大変便利です。

ホワイト・・・
真円タイプ。ブラックよりも大きめなサイズで、より軽いアクションで音量が出し易くなるのが特徴。細かいコントロールでも反応が良く、ブラックカムよりも軽さが欲しい場合におすすめ。ロック系を中心にオールラウンドに向いています。(YAMAHAFP9310チェーン、FP720ベルトタイプ系)
ブラック・・・
真円タイプ。今までのPEARLオリジナルサイズで、初動時からヒットするまで一定のアクション。癖の無い素直な動きはオールラウンドに向いています。(傾向はDWCX-5000またはターボ系)

P-2000C

ブルー ・・・
オーバルカム。変形カムの影響によりホワイト(真円カム)よりも初動時が軽く打面に近づくにつれて踏み込みの力が加わるのが特徴。その為、軽い踏み心地ながらも音量も出し易く細かいコントロールから音量重視のややテクニック志向系に向いています。(DW5000ADアクセラレーター、TAMA HP900P パワーグライド系)
レッド・・・
変形カム。ブルーよりも更に初動時が軽く徐々に踏み込みが重くなります。特にビーターの細かい動きに対しての反応が良いのが特徴。真円カムと比較して癖を感じるアクションかもしれませんが、幅広いフットコントロールに自然に対応し、反応やダイナミックス重視のスタイルに向いています。
この形状のカムは昔のGretschや今のDWにもあり、最近各メーカーが採用しているアクションです。
(DW5000Nナイロンストラップ。YAMAHAFP9410ダイレクトドライブ。 Premier EDP400系)

P-2000C

トラクションプレート&トラクショングリップ・・・
フットボード上の黒いプレート部分が滑り具合等を抑える機能です。丸いラバーは脚の裏にフィットする効果が、また矢印のような3本のラインはスライドを助ける効果があり。この部分だげ取り外しができるので、好みに応じてパターンを逆さにして使用できます。
フットボード・・・
ここ数年のPEARLの中ではやや大きめのサイズです。より安定感を狙った仕様だと思いますが、最近は各社のフットボードがやや大きめの傾向になっているようです。

P-2000C

ハードタイプスプリング・・・
DWやYAMAHAと同様の形状でやや硬めのスプリングを採用。上部がやや細い形状により軽い力での踏み込みを可能にしているタイプ。PEARLは比較的にややテンションがきついタイプを採用。その為か、緩いテンションでの反応には問題ないと言えますが、やや強めにするとかなり踏み込みが重くなり反応も鈍くなる傾向があります。
クォードビーター・・・
フェルトとプラスティックが形状の違う2パターンずつの計4種類が使用できます。DWも似たような仕様ですが、シャフトの位置の影響からバランスが悪いのが難点。このビーターはシャフトがヘッド部の中心にある為、バランスは断然良く、特にプラスティック系の音色がお好みの方はビーターのみでも是非お試し下さい。またメモリー機能の金属パーツが付属ですが、出来るだけ軽い踏み心地が好みであれば外しての使用がお勧めです。

P-2000C

パワーシフター・・・
 
ヒール部分の角頭ボルトを緩める事でフットボードが移動できるPEARL独自のアイディア。カムからフットボードへの力加減の変化によって踏み込みの軽さが変えられます。
効果としてはヘッド側が一番軽くなり、真ん中がPEARL本来のポジション。一番手前はやや重くなり、ビーターの遠心力が感じやすくなります。
4種類のカムと組みわせれば、12種類の異なる踏み心地が簡単に調整可能です。
例えば、ブルーのアクションが好みだがもう少しだけ重さが欲しい場合には、ヒール部を一番手前にするだけでOK。かなりの効果があるので是非お試しあれ。(同社P-201P、101P、プレミアEDP400も同じシステムがあり。)

P-2000C

フープクランプ・・・
本体の右側から締め付けが可能なシステム。フープに噛ませる部分の幅が調節可能で、セッティングの安定性の向上とアンダープレートの浮き等を防ぐ機能にもなっています。

P-2000C

 踏み心地(重 1⇔10 軽) 平均6.4

ろく 8 良い。パワーシフターをノーマルより後ろにすると重くなる。
とら 7 滑り止めが意外と良かった。
SAI 4-7 ・ブラック4 パワーシフター真中 踏み始めだけ少し重い印象。
・ホワイト5 パワーシフター後ろ やや軽くなった。このポジションでパワーと反応の良さが得られる。
・ブルー6 パワーシフター真中 初動時が軽くなる。
・レッド7 パワーシフター後ろ 軽くてコントロールがやり易いが好みで無い。
KOTALO 5 チェンジャブルカムで多彩なアクションを楽しめる。
HAJI 5 設定によりどうにでもなるが、常にハンパもの。赤点ではないが80点もこえない。
ゴン太 ? 混乱してしまってよくわからないが、ボーっとしていて気持ちの良いものではない。

P-2000C

 反応(鈍 1⇔10 敏) 平均6.8

ろく 9 素直で良い。スプリングを変えたらもっと良くなると思う。
SAI 5-7 ・ブラック5 ・特に問題無し。
・ホワイト6 良くなる。
・ブルー7 戻りが敏感に。
・レッド7 良い。
とら 4-7 赤青なら7 白6 黒4 黒は戻りが遅い、白の方は少し良く、赤青は問題ないと思う。 
KOTALO 6 全体にもっとキビキビと反応して欲しい。。
HAJI 5 設定によりどうにでもなるが、常にハンパもの。赤点ではないが80点もこえない。
ゴン太 ? おいしいポイントが最後まで見つけられなかった。

P-2000C

 安定感(悪 1⇔10 良) 平均7.6

とら 10 問題なし
ゴン太 9 安定感はありますが、窮屈な感じがします。
ろく 9
SAI 8 全てのカムで問題無し。
HAJI 5 設定によりどうにでもなるが、常にハンパもの。赤点ではないが80点もこえない。
KOTALO 5 やや頭でっかちな感じがする。

P-2000C

 スプリング(悪 1⇔10 良) 平均5

HAJI 8 良い。
SAI 6 テンションの硬さの影響かヒットの瞬間が重い。
ろく 5 レンジが狭い
ゴン太 4 良いものとはいえません。
KOTALO 4 機敏さに欠けるところがある。
とら 3 スプリング自体は良くないがカムの変更などで調節できるので問題ない。

P-2000C

 サウンド(悪 1⇔10 良) 平均6.5

ろく 9 カムによって変わるがいろいろなサウンドが得られると思う。
SAI 5-8 ・ブラック5 良いが音量が物足りない印象。
・ホワイト6 音量も出せ細かい音も出し易い
・ブルー7 音量はホワイトと変わらないが音色がシャープに、ビーターのスピードの変化が影響。
・レッド8 幅広いコントロールでシャープな音色が出せます。ビーターはフェルト。
KOTALO 6 4ウェイビーターがそれぞれ楽しめる。
とら 6 前回のdwのビーターよりは使い勝手が良く、サウンドも極端にならない。
HAJI 5 設定によりどうにでもなるが、常にハンパもの。赤点ではないが80点もこえない。
ゴン太 5 ロック向きかな?

P-2000C

 機能性(悪 1⇔10 良) 平均7.1

KOTALO 10 これだけいろいろできるのは凄い。設計した人はエライ。
とら 10 いろいろ試せるので。
ゴン太 10 どのパーツとも設定変更し易いように考慮されている点は素晴らしいが、あまりにも変更できる部分が多すぎて混乱する。
SAI 7 他社よりも扱いやすい。レンチなどの使用が少ないのがうれしい。
ろく 5 カムが交換できるのは嬉しいが、自分の好みを捜すことが大変かもしれない。
HAJI 1 順列組み合わせ など したくもない。

P-2000C

 気になった点

とら どうせならベルトも付けてくれればいいと思う。
SAI スプリング交換がとにかく面倒です。
HAJI 多過ぎる機能。
ろく トゥーストッパーは取り外した方が良い。
KOTALO ありったけいろいろな機能があって、それぞれにペダルアクションの重要な部分の設定変更が可能で、それこそあらゆる踏み心地の好みに対応しているといえるが、全体的なバランスの完成度にやや物足りなさを感じる。もう一息キビキビした反応が欲しい。
ゴン太 ・変更箇所が多すぎて混乱する。
・スプリング。
・音楽的なフィールがまったく感じられない。

P-2000C

 総評

SAI 好みがハッキリとしている人も逆に定まらない人でも、どちらにも良いでしょう。最初は大変でもカムとパワーシフターの組み合わせだけでも好きなアクションが見つかるでしょう。
現在の機能重視のペダルとしてはなかなか実用的な箇所に画期的なアイディアが取り入れられて国産ペダルの中ではお奨めの1台と言えるでしょう。
とら

どんなペダルが自分に合うかわからないという人、初めてペダルを買う人にはおすすめです。このペダルで今出回っているペダルのほとんどの特徴をつかめるので、これでいろいろ試してから他のペダルを買うと外れないと思う。とにかく入門編にはいいと思う。

ろく 赤カム・・・細かいことがしやすくなるが音量が物足りない。
青カム・・・赤カムよりは音量が出しやすくなる。僕は偏円カムでは赤より青の方が好きです。
白カム・・・動きはスムーズだがヒットポイントが手前になりすぎる。
初めてペダルを買うという人や自分の好みのペダルが見つからないというような人にはおすすめのペダルだと思う。僕は標準の黒カムが一番好きです。
HAJI

ペダルいぢりのすきな人 向き
らしい音、近い音はでるが中途半端。 設定を変えていくうちに、足の奏法を破壊しかねない。

P-2000C

 総評

KOTALO パール好きの人。あれこれイジルのが好きな人。フットコントロールの難しさをペダルのせいにしたい人またはしてきた人。ペダルについてのうんちくを述べたい人。にはこれ。
とにかくこのモデルを企画して設計・開発して商品化した人は偉い!頭が下がります。
これまでの定評や実績のあるさまざまなペダルの踏み心地の特徴を、とりあえずはこれ1台で再現できるようにした着想はお見事。これを買えば、過去の伝説的な名器を4台以上持っているのと余り変わらないことになるといえる。この点では超お買い得!
ただ、どのタイプのアクションでも感じるが全体的にややシャープさが欠ける気がするのが残念。スプリングやビーターの改善とパーツ各部の精密度の向上を望みたい気がする。
ゴン太

正直よくわからない。このペダルに一言声をかけるなら「君は誰?なにがしたいの?」
いろいろと試しているうちに混乱してしまった。初心者には絶対に薦めません。
個人的にはこのタイプは苦手で、テストをしていてとても疲れました。P101Pにもいえることですが音楽で使うものという印象がなく、どうしても好きになれません。ただ「ここをこうするとこうなるんだ」ということがわかったので今後の自分のペダルの調整の参考にはなった。