■ ディスカッション
工場見学に続いて、販売元のヴィック・ファース、日本総代理店のパール、各販売店の代表によるディスカッションが行われました。トークが白熱する場面もあり、非常に有意義なディスカッションとなりました。

1.ケース

ヴィック・ファースのスティックは選別され“パーフェクト・ペア”として1ペアごとに紙製のケースに入れられ、出荷されています。
ヴィック・ファースのスタッフが日本の楽器店を訪れたときに、せっかく“パーフェクト・ペア”にして出荷しているにもかかわらず、紙製のケースから出して店頭に並べている店が多いことに落胆したそうです。ヴィック・ファース側は、紙製のケースに入れた状態で店頭に置いて欲しいと強く要求していました。
それに対して、販売店側は「ケースから出さないと選べない」「ケースが緩くてすぐ抜け落ちる」「かさばる」と反論。
実際に完璧な“パーフェクト・ペア”であったとしても重さやピッチはケースから出さないと分かりません。また、スティックの種類が決まっていない場合は、ケースから出して実際に叩いて試さないと納得が出来ません。
ヴィック・ファースからは、ケースから出したスティックは、同じペアをケースに戻すという案を提示しました。これなら、試しても“パーフェクト・ペア”は崩れません。
販売店側としては、紙製のケースに重量、ピッチの表示を提案しました。重さとピッチはコンピュータで選別しているのだから表示は不可能ではないはずです。これなら、消費者も納得いくはず。
ヴィック・ファース側は、重さだけでも20種類、それに対しピッチも加わり、シリーズ自体も膨大な数なので、現在のシステムでは不可能とのことですが、将来的には実現したいと前向きな回答でした。早く、表示をして頂きたいものです。
現在、当店ではケースから出して店頭に置いていますが、ケースについては、只今のところ検討中です。


論議となったケース


2.NOVA

ヴィック・ファースのスティックは厳しい商品チェックにより、3種類に分類されます。最も優秀なスティックだけが、ヴィック・ファースブランドとして発売されます。スティックとしては問題なく使用が可能だが、ヴィック・ファースブランドとして発売できないものは“NOVA”というブランドで発売されています。一番下のランクのものは、スティックとして世に出ることはありません。
NOVAスティックは所々に節がありますが、使用上、特に問題を感じることはありません。また、木目を隠すためか着色したラッカーで塗装されています。材質はヴィック・ファースと同じですが、チップの形状やバランスは異なるのでご注意ください。低価格で国内販売決定。


B級品とはいえ、材は最高級


3.新素材

ヴィック・ファース社のスティックの材質は現在ウッドのみですが、ウッドに代わる新素材の研究にも取り組んでいるそうです。しかし、現在のところウッドと同等もしくはそれ以上の素材は見つかっていないそうです。
同じ消耗品のヘッドは天然素材ではなくなっていますが、スティックもそんな時代が来るのかもしれませんね。