■ こだわり

1.ストレス

スティックを加工する際に木材にはストレスがかかります。ストレスはそりや割れの原因となるので出来る限り少なくすることが、良いスティックを作る条件となります。
そのストレスは、乾燥することでかかるDRYING STRESSと、削ることでかかるMACHINE STRESSの2種類です。

DRYING STRESS
他社は、スティックの元となるダウエルと呼ばれる丸い棒状に成形されたものを仕入れて加工しているところが多いですが、ヴィック・ファースは、乾燥にまで時間を掛けて自社で行っています。
 

乾燥前の角材

乾燥後の角材
乾燥前に強く縛られていた角材は、乾燥後には縮んで金属製の金具は緩んでしまう

MACHINE STRESS
ダウエルのカットには、木材を板、大きい角材、小さい角材、大きい丸材、小さい丸材、さらに小さい丸材(ダウエル)へと数回に分けてカットすることで、ストレスを軽減しています。素材となるダウエルへのこだわりが感じられます。


下の板状の木材を左の大きい角材から
右の小さい丸材へと、6段階の工程をかけて
ダウエルは作られる


2.センターレス研磨

他社は、角材をカッターで一気に成形してしまうバックナイフと呼ばれる旋盤による工程で作ってしまうところもありますが、ヴィック・ファースは、センターレス研磨により成形しています。センターレス研磨は、きめの細かい仕上がりが特徴です。チップ付近がささくれているスティックは、バックナイフによって製造されたスティックということです。
センターレス研磨は、なんと0.001インチの精度で製作されているんですよ。こんなところにもこだわりが感じられます。
 

マレットのみバックナイフによって作られる

0.001インチの精度で製作される
スティックの図面

3.ナイロンチップ

ナイロンチップのスティックは、チップの無い状態にカットした先の細くなったスティックの先端にナイロンチップを押し込んで接着剤で固定する方法が一般的です。この方法は、接着剤の量や使用状況によりチップが取れてしまうことがあります。チップが取れたら交換しますというのをうたい文句にしているメーカーもあります。
ヴィック・ファースは、全く異なる画期的な方法でナイロンチップのスティックを製造しています。その方法は通常より小さめのチップがあるスティックを使用して、チップを包み込むように溶かしたプラスティックを型に流し込んで固めるというプラモデルに似た製造方法です。この方法ではチップが取れることはないので、スティックが折れない限り使用することが可能です。また、ナイロンチップはウッドチップと違い、チップがかけないという特徴があるので、ヴィック・ファースのナイロンチップは耐久性にも優れたスティックと言えるでしょう。
 

ナイロンチップは専用のマシンで
プラスティックを流し込んで
スティックの先端に取り付けられる

ナイロンチップ用に用意された核となる
小さなチップがあるスティック

4.滑り止め塗装

神保 彰モデルシグネチャースティックには、表面が滑らないようにザラザラした特殊な仕上げが施されています。塗装に使用する塗料にあらかじめ細かい砂が混ぜられていて、仕上げが均等になるように3回に分けて塗装が行われています。
スティックが滑るという方は、是非お試しください。


神保 彰モデルシグネチャースティック