■ ディスカッション
セイビアンの各部署の責任者を交えてディスカッションが行われました。

1.シンバルが割れないクリニック

シンバルが割れないようにするのに良い方法はあるか?という質問に対して「セイビアンを使っていないんじゃない?」という答えで大爆笑!
それでは、シンバルを知り尽くしたセイビアンシンバルの製造者によるシンバルを割れ難くする方法です。

1)極端に傾けない

2)フェルトは強く締めすぎない
理由は、シンバルを叩いた時のバイブレーションがシンバル全体に伝わらなくなり衝撃を全て一ヶ所で受け止めてしまうため。

3)強く叩き過ぎ
シンバルの許容範囲を超えた状態では当然割れます。

4)叩いた後は引き戻す
衝撃の逃げ道をつくるのが目的。サウンドの向上も期待できます。横にスティックを逃がしてもOKです。方法はいろいろあります。

5)シンバルのウエイトにあったスティックを選ぶ
薄いシンバルを太いスティックで叩けば、当然割れやすくなります。

間違った叩き方をしていたとしても叩き方の指導は難しいと、セイビアンスタッフは言っていました。確かにある程度の演奏経験がないと、どれくらい叩いたらいいのか分かり辛いとは思います。クラックがよく入るのはベルの周辺と、もうひとつはエッジの周辺です。

割れたシンバルの割れ止めやカットは可能です。当店までご相談ください。
→詳しくはこちら


2.ARTIZANクラッシュ、ハイハットは発売予定はないのか?

現在、ARTIZANシリーズはライドシンバルのみの販売です。ライドシンバルの購入者は、当然クラッシュやハイハットも試したくなるものです。
ARTIZANシリーズの製造には非常に時間がかかり、トップのハンマー職人でなければ作れないため、生産性を上げなければ現状では難しいが、ハンマリングの人材養成と工程の見直しによる時間の短縮が出来れば、今後ハイハット、続いてクラッシュを作りたいと、前向きな回答でした。

3.VAULTツアー日本でいかが?

カナダの工業へ出向くことなく工場見学さながらのハンマリングやレイジングの工程を見学することが出来、セイビアンシンバルをその場でチェックすることが出来るVAULTツアー。
日本でもやりたいが、コスト的に機材や人材を送らないといけないので、物質的に難しいという回答でした。
機材や人材は送らずプロトタイプ商品とプロダクトスペシャリストを現地に送って、違った形でのVAULTツアーをアメリカ国内でも行っているそうです。そういう形では可能性があるとのこと。実現するといいですね!

4.XS20シリーズミディアムクラッシュがない?

現在、XS20シリーズのクラッシュは、ロックとミディアムシンの2タイプのみの販売となっています。
回答は、ビギナーのステップアップの通過点であるから絞ったレンジで製作している。また、ウエイトを絞っているためライン数が少なく、生産コストを下げることにも貢献している。そのため、XS20シリーズのラインナップを増やすことは難しい。低価格でキャストを試してもらいたいというのがセイビアンの目的でもあるとのこと。なるほど納得!

5.シズルの種類を増やして欲しい!

シズルは大きさや材質によってサウンドが異なります。
シズルの素材については検討するとのことです。楽しみです。

6.スプラッシュのサウンドが劣化しているのでは?

他のシンバルは問題ないが、スプラッシュシンバルのみ抜けが悪く、サスティーンも極端に短いものがあったため交換をしたことがある。品質が落ちたのでは?という参加者の問いに対し、品質に変わりは無いというセイビアン側の回答。議論をしているうちに、原因はシンバルの裏側に張られているバーコードのステッカーと判明しました。口径の大きいシンバルは影響を受け難いので、スプラッシュのみ品質が落ちたのでは?というのもうなずけます。
通常はカップに貼られていますが、時折カップより外側に貼られている時があります。セイビアン側はカップに貼っていても運送中に動いてしまうと弁解していました。シンバルのステッカーは剥がして使用しましょう。