CRAVIOTTO / UNLIMITED EDITION SERIES

スリンガーランド社のラジオキングに代表される単板スネアは、音色の太さや反応の良さ・スネア単体の存在感の強さから歴史的にも非常に多くのドラマーを虜にしてきました。特に80年代は、あのジェフ・ポーカロも「このシェルさえあれば後は何でもいい!!」と言ってラジオキングを愛したということで、一大ブームにもなりました。今や、単板スネアを制作する各メーカーが、この伝説とも言えるラジオキングのサウンドに追いつけ追い越せと切磋琢磨しているのが現状であり、本家でもある現在のスリンガーランド社でさえも同じ状況です。
そんな単板シェルの魅力にとことん迫って、最近ではなんとオール単板シェルのセットも発売するなど、その完成度の点でもまさにソリッドシェルの魅力に取り憑かれたかのようなメーカーがCRAVIOTTOです。
もちろん高級シリーズも味のある素晴らしいサウンドですが、やはり最も注目すべきなのが、シリーズ中最も低価格なUNLIMITED EDITION SERIESです。他メーカーの単板と比べてもその値段にまず驚かされますが、もっと驚くのがサウンドのクオリティーの高さです。

シェル:北米産スタンダードメイプル単板&リインフォースメント
硬質で芯のある響きと、明るさに深みの乗った倍音でシェル全体がよく鳴ります。叩き込むほどにサウンドが熟成されて、低域の太さや柔かさが増していくのもメイプルならではの魅力です。

 
エッジ角とスネアベッド
エッジ角は現在主流の45°です。アタックのシャープさや張りのある高域の響きが得やすい形状です。ヴィンテージスネアによく見られるラウンドしたエッジの場合は、音色の太さが強調される分ややレンジが狭くなってしまうので、その点をより現代的で幅広いレンジに対応出来るようにした加工です。
また、スネアベッドは独特の加工で彫りは浅めに取られていますが、エンブレムとその対面部分の鋭いエッジ形状から、シェルの円周上をスイッチ側とストレイナーバッド側に向かって徐々にラウンドしていく形状になっています。
20本のスナッピーがワイドタイプに聴こえるようなファットな鳴り方は、この加工の影響が大きいと言えます。
スナッピー:オリジナル内面20本
反応が良く、芯がしっかり残るスナッピーでシェルとの相性も良いスナッピーです。高域の響きが目立ちますが、音色が細くなるような事はないので単体で見てもかなり完成度の高いスナッピーです。
ラグ:ダイヤモンドキャストラグ 約62g (LUDWIG/IMPERIAL LUGは約65g)
フープ:トリプルフランジ10テンションフープ
金属パーツ類はLUDWIG系の影響が強いような印象です。ラグも比較的軽量でシェルの鳴りを損なうような要素は特に見当たりません。

 
サウンドホール
普通はエンブレムの所に設ける事が多いサウンドホールは、ストレイナースイッチの隣とバット部の上に作られています。穴の位置もスネアサイド寄りで、スナッピーがワイドに響く独特の鳴り方にも大きく影響しています。これを抑えたい場合にはどちらか片方をガムテープなどで塞ぐだけでもかなりタイトな響きになります。両方塞いでしまうとやや音が詰ってしまうので抜けが悪くなってしまう傾向にあります。
  サウンド
80年代、単板のラジオキングにGRETSCHのダイカストフープで超ローピッチのサウンドが大流行しました。この時代の音楽でよく聴かれる「ドスッ!」というスネアサウンドがそれにあたります。このサウンドこそ単板の魅力でもありますが、CRAVIOTTOの 特徴を活かして、現代的なあっさり系ならノーマルフープ。ヴィンテージ風ならTAMAブラスフープという選択もアリです。
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