帯ミュートを使ってみよう!!(SONOR/バスドラムフェルトストラップ)


 
 
帯ミュートは、ベースドラムのオープンな鳴りを活かす場合に用いられるミュート方法で、余韻をカットしたパワフルなサウンドが得やすい、クッションや毛布を詰め込む 方式のミュートスタイルとは異なるキャラクターが特徴です。単に、オープンな鳴りを活かすといっても、打面側・フロント側それぞれで、帯をどの位置に持ってくるかということによってもサウンドの傾向が変わります。

フェルトの質や厚み、幅など、いくつかの種類がありますが、耐久性や音色の太さを活かしてバランスの取れたサウンドがつくりやすい、SONOR/バスドラムフェルトストラップを使って検証してみましょう!

【器材・録音データ】
■使用器材:LUDWIG 60's 22x14BD 
打面:REMO/COATED AMBASSADOR フロント:LUDWIG/LW4222VY
■PAN:右チャンネル/打面側マイク 左チャンネル/フロント側マイク

使用方法

張るときの注意点!!

帯ミュートを張る時は、わずかにヘッドにテンションがかかった状態で、両端を引っ張りながらヘッドにしっかり密着するように張ります。これがうまく密着していないと、サウンドにも締りが出にくくなってしまうので注意して張りましょう。

サウンド1

サウンドの3大法則!!
ヘッド上のどの位置に帯を持ってくるかが、サウンドメイクの重要な“鍵”です。
一般的に使われる帯ミュートの位置は3通り。見た目だけでなく、サウンド面ではこんな不思議な法則があるんです。 また、打面側では、ミュートする位置によってタッチも変化します。
※サウンドファイルでは両面とも同じ位置でミュートしています

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サウンドファイル

ノーミュートの場合
参考までに、全くミュートしなかった場合のサウンドと聴き比べてみてください。

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サウンドファイル

タテ方向:音の立ち上がりが速い・ダイナミクスの幅が付けやすい
タテ方向のミュートは、特に打面側をこの状態にすると、小さな音でも反応が良くタイコ全体を鳴らしやすくなります。タッチはノーミュートの時に近い感触になります。 一般的にFT側に張る事が多いのは、BDとFTとの共鳴を軽減する為です。

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サウンドファイル

ヨコ方向(下):アタックが柔かくサスティーンが長い・低音重視
ヘッドの下の方にヨコ方向にミュートすると、ノーミュートの時のようにサスティーンが長くなり、低音が強調されたファットなサウンドが得やすくなります。タッチも柔かくなります。

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サウンドファイル

ヨコ方向(上):アタック強調・サスティーンはほぼ無し
ヘッドの上の方にヨコ方向にミュートした場合は、アタックがパワフルになってサスティーンも非常に短くなり、POPSなどでも使いやすいサウンドが得やすくなります。タッチは やや硬めになります。

アナタの好みは?

組合せ

3大法則を元に、それぞれの特徴を組合せながら音楽や楽器に合った張り方を探してみましょう。例えば、同じ位置でもヘッドの中央寄りに張るとサスティーンが短くなりアタックが得やすくなりますし、エッジ寄りに張れば、アタックが柔かくなりサスティーンも長くなります。
また、ベースドラムのサイズによっても得られるサウンドが異なってきます。低域の広がりなどは口径の大きなものの方が出やすく、まとまりの良い音色なら小口径のものの方が適しています。

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サウンドファイル

サンプル1
「ダイナミクスレンジが広く、音の立ち上がりも速くて低音も強調したい」
▲打面側/タテ フロント側/ヨコ下側orタテ
アコースティックなアンサンブルに適した音色です。サウンドファイルでは、22"のベースドラムを使用していますが、JAZZ系のアンサンブルで18"などを使ってこれと同じようなサウンドをつくるとすれば、打面・フロント共にヨコ下という風に張るのもアリです。

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サウンドファイル

サンプル2
「帯ミュート独特の音色の太さは残しつつ、音像をハッキリさせてPOPS系アンサンブルでも使えるサウンドにしたい」
▲打面側/ヨコ上 フロント側/ヨコ上orヨコ下
エレキ楽器を中心としたバンドなどでは、ドラムに重なる音も多くなり、柔かくオープンなサウンドのままでは、存在感が小さくなりがちです。そんな場合は、サスティーンを少しカットして、アタックを稼ぎ、極力リズムの点がハッキリするようなサウンドを狙う必要があります。この状態からさらに、ヘッドをクリア系に交換してみたり、毛布などの詰め物系ミュートを加えても効果的です。