PANDEIRO


 

 


ドラマーとして活動していると、ほとんど全ての方が練習環境を確保することの難しさをはじめ、楽器の保管や演奏スペースの問題、持ち運びの不便さなどにもかなり悩まされる事があると思います。
それもそのはず、ドラムセットは、もともとはセットではなくベースドラム担当、スネアドラム担当、シンバル担当と言った具合に、それぞれに奏者がいた打楽器を一つにまとめたものだから仕方がありません。
これらを完璧にコントロールして演奏をする事が私たちドラマーの仕事ですが、改めてこういう視点から考えてみると、ドラマーってとても大変です。

音楽スタイルにもよりますが、演奏技術の習得の問題を抜きにすれば、ドラマーやパーカッショニストほどの大荷物にならずに、しかも演奏中も一応はステージ上を自由に移動できる、ギターやベースなどの弦楽器や、管楽器奏者をちょっとうらやましく思う時もあると思います。

そこで試しに、この巨大なドラムセットを出来るだけ機能はそのままに一体どこまでコンパクトにできるかという事を考えてみると、一つの答えとして浮かび上がるのが、ブラジリアンパーカッションの代名詞としてもお馴染みのパンデイロではないでしょうか。

今回は、この小さなボディに無限大の可能性を秘めた魅惑の打楽器、パンデイロをご紹介致します。
これはドラマーの、いや、打楽器奏者の共通テーマ、ゆくゆくは全てのミュージシャンの“心得”としてぜひ普及して欲しい逸品です!!!
 

パンデイロって?

★こんなの!!


↑写真をクリック!!

残念ながら、、、当店スタッフは誰一人としてパンデイロをまともに演奏できないため、サンプルとしてパンデイロの魅力の一端が垣間見えるような映像をご紹介致します。

すでにご存知の方や、ブラジル音楽に馴染みのある方には特に説明の必要もありませんが、パンデイロに馴染みのないミュージシャンにとっては、その見た目からは想像できない大きな魅力に全くピンとくるものがないと思います。

パンデイロは簡単に説明すると、ジングルの響きが控えめで、ヘッドのチューニングが可能なタンバリンです。叩く位置や出る音色を色々と組み合わせて様々なリズムパターンを表現します。楽器としての発祥はタンバリンと同じくアラブ地方だと伝えられていますが、ポルトガル人の手でブラジルに持ち込まれた後に様々な演奏スタイルが確立されていったそうです。言い換えれば、それぐらいブラジリアンリズムの源流とダイレクトに通じ合った楽器という訳ですね。

サイズは10"が定番ですが、最近では“軽い!!チョーカワイイ!!”と人気の8"タイプや、演奏の他にパフォーマンスで使われる事も多い12"や14"など大きめサイズもあります。
ヘッドは、強力な低音とマイルドな音色が得やすい本皮製と、パリッと切れの良いプラスティック製と両方あるので、音楽スタイルによって色々と選べます。

とにかく楽しい!!

★まずは始めてみよう!!
  ブラジル音楽を代表する打楽器がパンデイロと聞くと、ブラジル音楽なんて良く知らないから・・・、とか、興味を惹かれない・・・。と言う方も多いかもしれませんが、パンデイロの凄いところは、その多様な表現力です。8ビートや16ビート系のリズムスタイルなどはもちろん、ドラマーにも大流行したカホンのようにドラムセットを演奏しているフィーリングとリンクさせることも可能だからです。
しかも、ドラムセットよりもダイレクトに自分のフィーリングが出やすい面もあるので、普段は気付かない思わぬ発見や、パンデイロの上達=リズムフィーリングの向上という利点も見逃せません。

同じように、ドラマーが取り入れやすい楽器として人気のジェンベやカホンにも引けを取らないばかりか、こんなにコンパクトな楽器にミュージシャンが求める基本的なリズムの表現力が備わっているとあっては、もう取り入れないほうが“損”といっても過言ではない逸品なんです。

ドラマーでは、ニューオリンズスタイルがとってもクールな、スタントン・ムーアも自身のドラムセットの傍らにパンデイロをセッティングしていることで有名ですが、一方では、マルコス・スザーノのようにまさに“ドラムいらず!!”なスタイルなど、インターネット上の動画サイトをちょっと覗いただけでも、叩いたり擦ったりは当たり前、それはもう幅広い対応力が証明されています。

さらに、本場ブラジリアンミュージシャン達は、パンデイロを演奏だけでなく大道芸的なパフォーマンスにも使います。ピザ職人が指先でピザの生地をクルクル回すのと同じようにパンデイロを回してみたり、背中を転がしてみたりと、これまたとってもクールで素敵な業を見せてくれることもあります。

コレさえあれば狭い会場や、ちょっとしたパーティでの演奏にわざわざ大掛かりなドラムセットを持っていかなくても大丈夫!!かもしれません。
 

百聞は一見にしかず

★教則作品も欠かせません!!


■DVD
マルコス・スザーノ/パンデイロマスターへの道


■DVD
PANDEIRO POPULAR BLASILEIRO

持ち運びに関しては、これ以上ないくらいお手軽で便利なパンデイロも、演奏するとなるとお手軽という訳にはいきません。これだけで色々なリズムパターンが演奏できるようになるには、本業の楽器と同じくらいにそれなりの努力と根気も必要になります。

応用の幅がとんでもなく広い楽器なので、最終的にどう使うかというのは人それぞれですが、とりあえず基本的なところをテンポ良く上達していくためにも見逃せないのが教則映像です。

たくさん練習して、一通りパンデイロが楽しめるようになった暁には、いよいよバンドのフロントマンとしてのデビューも視野に入れたいところですね!!