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プライ・リインフォースメントの浮き補修について

 

修理方法
まずは、補修の範囲を確認してください。範囲が数cm程度・浮きが1mm程度で、試しに指で押してみて隙間が塞がる場合は、市販の木工用ボンドを使い、ボンドの量をできるだけ少なめにしてクランプで挟み込みます。この方法で約1日ほど固定をすれば補修できます。補修後は、最低でも1ヶ月位は浮きの進行やシェルの状態をこまめに確認した方が良いでしょう。


プライに浮きがある状態、
この程度なら自分でも修復が可能です


シェルをゴムシートで保護し
鉄板を当てクランプした状態

注意点

1)・・・接着剤 の分量には十分注意してください。圧着した時にエッジに少しはみ出 す程度が適量です。ボンドを注入後もしばらく様子を見て、はみ出してくる分は乾かない内によくふき取ってください。

2)・・・板やゴムシートなどを使ってシェル表面と内側を保護しつつエッジを傷つけないように慎重に作業してください。また、作業にラグやブラケットが邪魔な場合はシェルから取り外し、しっかりと挟み込める状態で行って下さい。

3)・・・古いドラムはベニヤ板のような軽い素材が多く使用されていますので、強く締め付ける事でシェルやリインフォースメントが変形する可能性もあります。力加減に十分注意して接着剤を流し込み、クランプを少しずつを締めて隙間や浮きの状態を確認しながら作業を行ってください。

また、リインフォースメントの剥がれの場合、木が収縮していて指で押しても隙間が塞がらない場合は、無理にクランプで締め付けると問題の無い箇所にも負担がかかり、全体が剥がれてしまうなど、逆に状態が悪化してしまう可能性があります。
このような状態のものを補修する場合は、ウッドパテを使いますが、これは細心の注意が必要な上、エッジ部分のヤスリがけなど特別な技術が必要になりますので、ご自分での作業はお奨めいたしません。
修理の場合は当店にご依頼いただくか、使っていく間に浮きが進行しなければ、補修はせずに保管に注意してこまめに様子を確認しながら使用されるのをお奨め致します。

◆浮いたリインフォースメントを指で押して、状態を確認します。動かない場合は無理なクランプ作業は適しておりません

補修によるサウンドの変化
ヴィンテージドラムを始め、長年使い込まれた楽器は補修のために新たに接着剤を多く使用することで本来の響きや音質を損なう可能性もあります。
小さな範囲の補修であれば大きく変化することはありませんが、リインフォースメントがほとんど外れてしまっていたり、シェルにへこみや割れなどがあった場合は接着剤を使用する面積も増えてしまい、補修後に硬質な響きに感じたり、以前のような乾いた音色が出ないような印象になるかもしれません。

古い楽器は特に現在のコンディションがサウンドと密接に関係しています。修復や改造をする場合は十分ご検討ください。

予防
古いドラムは、年月の経過によりプライやリインフォースメントが浮いたりすることがあります。こういった症状の予防としては“保管方法に注意する”というのが一番です。

器材保管のポイント

◆夏季の高温・多湿に注意するのはもちろん、1年を通して温度や特に湿度の変化ができるだけ少ない場所に保管する事
◆ケース内にクッションを入れるなどして運搬方法にも十分注意する事
◆数ヶ月使用しない時期があったら、1ヶ月に1度くらいはシェルの状態を確認する事

 

 

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